[コメント] 96時間(2008/仏)
2009.8.25 TOHOシネマズなんばで鑑賞。鷹の爪団のマナームービーが四代目となり、「ロマンティックが止まりもはん」に代わってたが、チケット予約システム "V.I.T" の意味はやはり「ヴァーサンが、イイ席、取ります」でないと面白くないと思う。
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久しぶりに見たリーアム・ニーソン。『バットマン・ビギンズ』でちらっと見たが、最近鳴かず飛ばずで、ホされていたのだろうか?
冒頭はこのリーアム・ニーソンのかっこよさで打ちのめされる。ハンサムで娘思いの父親。「パパはお前が可愛くて仕方ないんだよ」感が良く出ててイイ。
しかし、娘が旅行先のフランスで誘拐されてからはもう「アンタ、一体なにもの?」的違和感を満載しつつ強引に娘の奪還に走り続けるのだが、そのまま観客を取り残して最後まで走り続けてしまう感じがある。
『レオン』の主人公が見せる強引さというのは、漫画『ヴァガボンド』における初期の武蔵や小次郎のように、ほんの一瞬だけ強さを爆発させるから目を奪われるのであって、のべつ幕なし見せられ続けるとちょっと食傷気味になってしまう。
なにせ主人公のリーアム・ニーソンが、誘拐された娘を取り返すためフランスに乗り込んでからのつっこみ所が多すぎてすごすぎる。毎回大量殺人しておきながらどうやって警察の目を逃れているのかとか、そのスーツどこで手に入れたのとか、想像しきれない謎が多すぎるのは問題だ。『レイダース』でハリソン・フォードが、どうやって潜水艦と一緒にドイツ軍の基地まで行ったのかは未だに謎だが、あれはそういう映画だから許されるのであって、若干リアル路線に振ってる『MI:3』なんかは所々で種明かしをちゃんとしているのである。
リーアム・ニーソンの娘を演じている女優はなかなか好演だったが、伏線のエピローグでの回収方法は、あまりにベタ過ぎて座布団を投げたくなってしまう気分だった。また、アルバニア人の犯罪組織が女性を誘拐して麻薬漬けにしてから売春婦に仕立てているという設定も余りに救いがない上、人種偏見的なものも感じられて、ストーリーとしては面白さに欠ける。
同じく人質になった娘を強引に力任せで救出するという設定の映画『コマンドー』は、ちょっと間抜けっぽい登場人物達に加えて、日本語吹き替え台詞の楽しさが相まって、アクション映画の名作とも言えるレベルに達しているが、こちらは今ひとつ乗り切れない。
アクションシーンそれぞれはめくるめく面白さなのだが、あまりのつっこみどころの多さに途中から白けてきて「仕方なく最後まで一応見た」感が強いのも否めない。全体的にユーモアや余裕に欠けているので、この映画が私の中で「新・コマンドー」の地位を獲得するには至らなかった。私は『トランスポーター』シリーズがイマイチ楽しめないのだが、それと同じノリでこの映画を十分楽しむことができなかった。ちょっと残念だ。
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