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[コメント] ひみつのアッコちゃん(2012/日)

テレビ局の映画らしく、無難にまとめた印象だが、俳優陣も健闘しており、とてもわかりやすいオチもついてて楽しい映画。
サイモン64

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「ひみつのアッコちゃん」が映画化されると聞いて、一番懸念していたのはオリジナルのエンディングテーマ「すきすきソング」の取り扱いである。 最近の「○○製作委員会」方式の映画はどいつもこいつもエンドロールで若手女性歌手の適当な歌がかかって終わりというハンコで押したかのようなパターンのものが多く、音楽業界とのタイアップなくして映画は作れない事情が透けて見える。最近の例で言うと妻夫木聡主演の「愛と誠」のエンディング曲が沖縄のグループの曲で、あまりのムードのあわなさにずっこけた記憶があるのだが、ああいうのは却って投げやりな印象を与えてしまう気がする。

この映画もご多分に漏れず、エンドロール曲は YUKI の歌だったのだが、オチからエンドロールにいくまでの部分でオリジナルのオープニング主題歌がかかっていて、一番懸念された「すきすきソング」はインストで劇中に挿入されていた。もしも「すきすきソング」が一顧だにされないということだと激怒ものだったのだが、その辺は微妙にバランスが保たれた感じだ。

「すきすきソング」を偏愛する私にとっては映画の内容よりそっちばっかり気になっていたのだが、ストーリー自体は非常に無難にまとめた印象である。良くも悪くもテレビ局が作った映画だなーという感じ。

子供が塾をさぼって会社で長期バイトするという設定は非常に脆いのだが、原作の「ひみつのアッコちゃん」とか同時代の手塚作品「メルモちゃん」とかのエピソードはそもそもその辺のあやうさがテーマになっているものだ。しかし30分のアニメと2時間の映画では尺が違いすぎて、破綻させないのはかなり難しいだろうと思う。 この映画でも見ている側の好意的な脳内補正によりなんとかごまかせる格好だが、脚本にあまり時間をかけられなかったのか無理矢理な台詞運びやストーリー展開が出てきてちょっとしらけるのは否めない。

今回の映画の見所は、アッコちゃんが大杉蓮や谷原章介に化けて登場するシーンだ。頭の中身は小学生の女の子のままで、体だけ大杉漣になった人物が岡田将生と対面するわけで、演じる大杉漣にとっては非常に複雑なシーンである。ここで下手すると観客が大いに引いてしまうのだが、役者の皆さんは芸達者でかなりうまくいっているなと思う。

トムハンクスの映画で「ビッグ」という、子供が大人に変身しておもちゃ会社の重役になるというのがあったが、あれを思い出すような内容だった。ただ、綾瀬はるかにあんまり過激なラブシーンをさせられるはずもなく、ストーリーは無難で破綻がない分少々つまらないのだが、非常にわかりやすいオチが私的には非常に好感であった。

特筆すべきは岡田将生の顔の美しさで、こんな整った顔の人はそうそういないなーと、彼にとって役者は天職だなと感じるのであった。

(評価:★4)

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