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[コメント] ザ・キープ(1983/米)

こりゃすんごい珍作。出来はそんな悪くない、きちんと持続しているのだが・・・色んな意味で絶句。メロドラマに西部劇、それにホラー・ファンタジー要素も取り込んでおり、更にその上笑っちまうぐらいヘボい視覚効果が目くらましになって、わけのわからない怪作に仕上がっている。
赤い戦車

印象に残った部分を列挙すれば

・ギリシャの埠頭の照明が素晴らしい。その後の海上の船を捉えたショットが「マイアミ・バイス」のように艶めかしい。

・出会って5分で男女が恋に落ちて寝る。まるで宿命であったかのように。看過できるかできないかギリギリの線。

・中盤父娘が出歩く場面での、唐突な白馬や白いカーテンの揺れの夢幻性。まるで黒沢清だ。また、この映画は妙に西部劇風のショットが見られる。

・娘の顔に手を触れただけで父が改心する。まあ、これは簡潔で良いと思う。

・何より驚いたのはクライマックスの切り返しとラストのストップモーションである。「ええ、メロドラマだったの!?」と仰天。

・敵の怪人は仮面ライダーかなんかに出てきそうなショボい姿で、これはちょっと看過できない。とはいえクライマックスを「発光」と「煙」で埋め尽くそうとする態度は正しい。少しトビー・フーパー的でもある。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)袋のうさぎ

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