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[コメント] 悪魔の沼(1977/米)

万人受けはしないだろうが、隅々にまで演出家の創意が感じられる点で、断じて駄作ではない。全体から発せられる狂気の度合いはあの『悪魔のいけにえ』より上だ。この映画は危険すぎる。終始口をあんぐり開けっ放しだった。
赤い戦車

意図不明のクローズアップ、アングル、演技、カッティングが連鎖してこちらの正気まで不安定になってくる。汚らしいセットとそれに輪をかける照明も効果的。登場人物の叫びともラジオの音とも区別のつかぬ音楽の流れ方にはもう降参するしかない。

保安官との初対面は本作で唯一まともに見える場面だが、ここでも会話時の切り返しが完全にズレていて違和感を育む。妙に細かく描かれる酒場の騒ぎも、プロット上ほとんど意味をなさないという点でやはりおかしい。

こうした混沌が頂点に達するのは2階、1階、地下のクロスカッティングが行われる場面だろう。事態を収拾するでもなく、ネヴィル・ブランドはランプを一つずつ消して回るだけ。この時間の使い方も高度に映画的だ。

(評価:★4)

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