私は好きだな、こういう女の人。っていうか、こういう人には昔からすっごく興味がある。見下しているとかとは絶対に違う。ただ単純に、40歳を過ぎても男を知らずにいる人生ってどんな感じなんだろう、そういう自分を自分でどう思うのか、本当に男が嫌いなのか、嫌いなフリをしているだけなのか、その本音を聞いてみたいし、そういう人生も有りかなと考えてもみたり。

母親は言った。「二人共、育てたのは私や」と。つまり、同じ様に育てても、人は持って生まれた顔や、性格や、運動神経の良し悪しや、体質に拠り、ある程度の運命が決まってしまうのは仕方の無い事だと思える。人は平等ではない。藤山直美と牧瀬里穂の差はそこにある。

とはいえ、スナックで働く藤山直美を、私はそこまで醜いとは思わなかった。化粧をして、綺麗なおべべを着れば、彼女だって見られない女ではない。客商売もそれなりに板についている。その事にもっと早く気が付いていたら・・・。惜しい事をしたものだ。

妹を殺し、ラブホテルのオーナーの縊死に接し、チンピラの刺殺体を発見する・・・、考えてみると凄い人生だ。