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[コメント] キートンの空中結婚(1923/米)

キートンギャグを生み出す受動的な舞台装置としての「乗り物」を旺盛に駆使したアイデアも滅裂な構成がまとまり悪くSO-SO
junojuna

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 すべり台からバスターにセントーンするデブ女(しかも2回も乗りやがる)はファッティに対する静かなるメッセージかとも思えるほどアーバックルに似ており、師と仰ぐほど慕っていたキートンがあの事件後のアーバックルを少なからず意識したであろうシーン挿入である。しかし、ストーリーには全くもって関係しないこのシーンに始まり、フィリス・ヘイヴァーとの出会いの丸小舟、そこから脈絡なく気球に乗って上空から転落、舞台は山中に移りヘイヴァーとの再会、急に愛開きカヌーに乗って川を下ってゆく・・・といった強引なプロット展開は映画としての企てに容易に頷くことはできないパッケージである。ここでのキートンはナンセンスの強度を信条とするスケッチ作家の限界を見せて苦戦の跡を残している。欲張りに詰め込むことはせず、ひとつのテーマに絞って丹念な作品づくりが必要であった。翌年には長編作りに挑むこととなるキートンの課題が見えた作品。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)赤い戦車[*]

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