[コメント] ゾラの生涯(1937/米)
擬似伝記映画だとしてもあまりにいい加減なゾラ像にBAD
この映画がアカデミー作品賞を受賞したという事実はハリウッド史に残る汚点であろうと言わざるを得ない悪しき出来栄えである。たしかにエミール・ゾラという人物を歴史的に遡っていかようにも解釈し評価もできよう。しかしこれだけ正義という名分を前面に押し出し一人の人間を英雄譚として描き切ってしまうところにあまりにマッチョな発想と視野の狭さで、なにやらアジテーションにも似た嘘くささが噴飯ものである。むしろそうした面をことさらに強調する姿勢は先人に対し無礼ではないだろうか。伝記映画であればなおのこと主人公の魅力が作品の良し悪しを決めてしまうだろう。しからばもう少し批評的な視点があってこそ共感を覚えることのできる作品となったはず。
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