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[コメント] アウトレイジ(2010/日)

汗をかいたものがどんどん死んでいくスポーツのような映画。でも決してエンターテイメントではなく心地いい北野映画。
pinkmoon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







北野武は人物を客観的に撮ることに秀でた監督だと思っている。いくら「ばかやろう!」とか「ぶっ殺す!」とか言ってもそれは人物描写の一コマにしか過ぎず、最後は全員を遠い視点から描いて消えていく。 だからエモーショナルなシーンがあればあるほどそのギャップが面白く独特の空気が生まれてくる。 90年代の名作はそうして生まれた。

本作は監督自らエンターテイメントを意識して撮った映画である。 殺し方のアイデアとかやくざ意外の脇役など面白い仕掛けはたくさんあるが、映画の見せ方に多くのアイデアがあるわけではないので、新しさはそれほど感じずいつもの〝北野映画〟になってる感じがした。(いい意味で) ただ、今までの映画と違ってあまり余計なことを考えず撮りたいように撮った感じが伝わってきた。

さすがに巨匠も年を取ってきた証拠か。 きっと自分のことも客観的に楽しんでるのでは。

(評価:★4)

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