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[コメント] アメリカン・スナイパー(2014/米)

悩めるアメリカ
pinkmoon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ミスティック・リバー』から12年。当時、クリント・イーストウッドのアメリカの正義の描き方に衝撃を覚えたが、時が経ち少し様子が変わってきたようだ。前者はアメリカがYESといえばYESということを貫き通したが、今回はもっと深く悩める悲しいアメリカを描いている。

この映画は戦場に行くに従って段々と壊れていく人格を描いているだけの映画だ。決して戦場のヒーローを描いている映画ではないし戦争映画でもない。 戦場では冷静であればある程、別の人格が生まれ出す。それをまた一定の遠い距離を持って描いていく。なのでより説得力が真実味が増していく。 これを戦争ヒーローものと賞賛するアメリカ人の気が知れない。

ただ、2つの映画に共通しているのは愛国心であり、この映画を賞賛する根底にあるのも愛国心である。私ら多くの日本人にはこの動機が理解できないのでより一層不可解で悲しいアメリカに映ってしまう。

クリス・カイルが生きていたら、どのような思いでこの映画を見て、どのようなコメントを残しただろうか。

(評価:★4)

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