[コメント] あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)
初めて発見した「ノベライズ化不可能作品」
「プロットとは才能のある者にとっては最後の手段であり、無能な人間が真っ先に頼るものである」―スティーヴン・キング―On Writingより
天才北野武監督は、プロット皆無の名作を創る事に成功しました。 ところで、一種の宣伝文句として「映像化不可能」と称する小説はしょっちゅう見かけます。そして、そういった小説が一定以上のクオリティを持っている事はほぼ間違いありません。しかし、それよりも遥かに難しいのは「ノベライズ化不可能の良作映画」を撮る事であります。勿論、難解極まりない、映像センスの伴わぬ、俗にいう自慰映画とやらを撮る事は簡単ですが、「映画として良作であり、良質なノベライズ化がまず不可能」といった映画が、果たしてどれだけ存在するのでしょうか。 難解なアート系ヨーロッパ映画であっても、鋭い感性を持った詩人が手がけ、哲学用語と美辞麗句で塗り固めたような作品にすれば、それらしいノベライズにする事は可能だと思います。しかしこの作品にそういった手が通用するようには思えません。
よってこの作品に対する批評は放棄致します。今作を私が批評するならば、形容詞だらけの短編私小説まがいのものにするでしょうが今の筆力で書けるものではありません。
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