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[コメント] 邂逅(1939/米)

素晴らしいのは単発で登場する人物の一筆描。船内でボワイエと戯れる手すりに乗った少年とか、自分の不幸を陽気に語る躁病としか思えない宿の女主人とか、孤児院のむっつり院長の口上とか。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







序盤のルビッチ風は調子いい。なぜプレイボーイを米の新聞は追いかけるのだろう。木暮実千代と天知茂のコメディ合戦は好ましく、偶然に合って衆目に晒されるのが繰り返されるギャグがいい。しかし、天知茂の母のマリア・オースペンスカヤの礼拝堂に斜めに光が差し込んだ辺りから話は真面目になり、マッケリー好みの宗教映画タッチになる。『我が道を行く』や『善人サム』のような。

待ち合わせ場所のエンパイアは天国に一番近い場所と云われ、クリスマスに孤児院の子たちは聖歌を歌う。流暢だが記憶に残る演出はない。自動車事故はフレーム外だし、再会も芸がない。このくらいで人は感動するのだと戸惑うような、持って回ったような理屈のエンディング。辛気臭いとは云わないが、それに近いものがあった。

(評価:★3)

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