冒頭の甘栗からして何というベタか。田中要次のすぐに反省するいやがらせ男の在り来たり具合が酷い。記号のような在り来たりブルジョア娘である吹石一恵の使い捨ても貧しい（顔の怪我はどうなったのだろう）し、彼女にフラれて山田孝之が取る行動はお決まりの机ひっくり返し。こんな凡々たる演出で何か訴えられると思っているのだろうか。あんなに避けていた江尻エリカと突然お好み焼き食べだすのは一回分見損ねた連ドラみたいだし、人に偶然道で合い過ぎるし、漫才はつまらんし、だいたい世間を避けていたのに漫才だけは続ける動機が不明だし、音楽は始終ベトつきまくるし。

杉浦直樹の会長の、会社の差別左遷の正当化における詭弁には眩暈がした。彼を好人物として描くのは信じ難い。会長なら何とかしろよ。▲１点。