[コメント] 黒蜥蜴(1968/日)
最高の主演を得て戯曲家ミシマの技が冴えまくり。ともかく科白が立っている。拳銃取り出して「はい両手上げてね、ラジオ体操みたいに」。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ただし筋は退屈で後半に進むにつれて地金が出る。死への倒錯した羨望とそこに立ち現われるエロスといういつものミシマで、生贄川津祐介のなれの果てとして本人が聖セバスチャンの格好で現れるのだがこれが滑稽そのもの。
劇場は失笑に包まれ、私も笑った訳だが、受難者ミシマはこういう客を当然想定していて、我々をキリストを嗤ったユダヤ人同様の俗物と見なすのだろうなあ、と後で思った。そのようにナルシスティックな狂信は暴走して止めようがない。
舞台劇らしく深作らしさは希薄、埠頭のカーチェイスは地味、美術もイマイチ。豪邸での用心棒たちの走らせ方はやたら下手糞だが、ユーモアのつもりだったのか。あと、当時の新幹線は夜中の12時にも走っていたのだろうか。
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