[コメント] さよなら子供たち(1987/独=仏)
撮影は超一流、古典的なカット繋ぎの施されたアンゲロプロスのよう。中盤の林の疾走から岩場に至る件は絶品だ。しかし物話は神父の言動に一貫性が見いだせず、違和感が残る。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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金持ちが天国へ行くのはラクダが針の穴を通るより難しい、なる説教をした神父が、料理番のジョセフをあんなに簡単に解雇する一方で、金持ちの子息を退学処分にせず、「ご両親がいなければ君たちも退学だ」などと告げるのは、実に不当ではないだろうか。第三項を排除して成り立つ内向きな感動物語としか受け取れなかった。ジョセフのその後の行動は、また別の話である。
スメルジャコフの扱いがどうにも不当に思えるから、私は『カラマーゾフの兄弟』がもうひとつ好きになれない。本作の違和感もこれに似ていた。
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