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[コメント] アラン・ドロンのゾロ(1974/仏=伊)

原作自体が面白いのだろう。演出もとてもいい。ユーモラスな格闘、とりわけ中盤の豪勢美術の市場、長屋の二階屋から転落連発のアクションが秀逸。各少女歌劇団、初期の少女漫画及びジャッキ―・チェンは大いに影響を受けたに違いない。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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楽観的で気持ちのよい義賊もの。フェアバンクスも撮ったらしい有名原作で、有名なだけある面白さ。ゾロは黒キツネの精霊、無敵で不死身、不幸な動物を助けに来る、と語られる。

神父に鞭振るわせるロジャー・ダルトリーみたいな悪徳判事に逆に鞭をくれ、ついに奴隷を解放する。これら全てがユーモアを尊重して描かれる。いいなと思ったのは、教会に来てまでぶらさげている宝石を拠出せよと金持ちのご婦人方に迫る断片。こういうのも義賊の仕事なんだ。

テーブル転覆させて登場する黒犬の活躍が芳しく、何度も突撃ラッパ吹きそこなうデブ兵士がいい。彼はきれいなメロディなら吹けるのだった。アドリアーナ・アスティのひねくれた伯母もいい。

ただ、ラストの対決前に頑張った神父が殺されちゃうのは突然に深刻で、それが製作者の想いかも知れないが匙加減の間違いだったかも知れない。

(評価:★4)

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