[コメント] ゼロの焦点(1961/日)
冒頭の訳判らん感が素晴らしい。序盤の強度だけ観れば第1級。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作を子供の頃読んだを思い出し、懐かしかった。幾つかの漢字が読めなかったのまで思い出した。冒頭、結婚後いきなり夫のいなくなる久我美子の訳判らん感は秀逸。この設定が全て、という気がする。
推理ものとしては久我の直観に頼り過ぎだし、悲劇としては対米兵の街娼の身の上が如何なるものだったかよく判らず、立体感がなくて深みがない。『砂の器』の地獄巡りが欠けている。90分の持ち時間はいかにも短く、重たい科白が空回りしており、高千穂ひづるの好演が報われていない。終盤になって有馬稲子がクローズアップされる展開は『張込み』の自己模倣で、またかの感が先立ってしまう。
瑞々しいモノクロ撮影と美術は素晴らしい。久我が汽車で北陸到着の第一印象の件でいきなり空撮になるのは間抜けだが。地の果て北陸、っていう映画は当時多いが、当節ではもう撮れないのだろう。
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