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[コメント] どぶ鼠作戦(1962/日)

独立愚連隊西へ』でこなれた中国描写がてんこ盛りに展開されるのが痛快でいいのだが、泣かせ処はよく理解できなかった。上原謙ほど軍人の似合わない名優はいなかった。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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佐藤允特務隊、密偵、金のため。この愚連隊に続々と兵が集うというラストに至る。懸賞金が値下げになるのがいいギャグ。「ここ三年、転属転属で食いつないでいます。バレそうになったらドロン」の加山雄三は実は中国人だったというオチ。あんまりにも周到なので関心するしかなかった。このふたりの主演は喧嘩する印象だが、本作は棲み分けがなされている。

大尉の夏木陽介に殺されて祟るミッキー・カーティスが云う「貴方には死に方をきれいに見せようという虚栄心しかないんだ」。戦中派のこだわりはこの夏木に向けられるのだろう。中谷一郎の最後は説明不足だし、田中邦衛などほとんど科白もない。

乗り損ねたトラック爆破の冒頭、人が倒れると場面かわって爆弾がドオンみたいな編集多用は相変わらず愉しく、敵陣に潜入したら結婚パーティだったという突然のライティングは見事に決まる。上原謙の戦争映画は違和感があり『西住戦車伝』を想起させ、田村奈己はいつも可愛い。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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