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[コメント] REX 恐竜物語(1993/日)

監督としての角川春樹は嘲笑こそされど今までまともに評価されたことは無いように感じるのだが、相米慎二仙元誠三は彼のおかげで出世できた面もあるし、決して映画に対するセンスが無かったわけではないと思うのだ。ロングショット中心で被写界深度の深い撮影やカット割りの的確さ。画面は台詞に従属していない。単なる駄作と切り捨てるのはあまりにも勿体ない。
Sigenoriyuki

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







安達祐実が母親(大竹しのぶ)と初めて会う場面では画面の奥で風車が回っている。この風車は安達祐実が喜びを感じるとその感情に呼応するかのように回る速度が速くなり、逆に悲しみを感じると遅くなる。こんなことをこれ見よがしにやればこちらとしても興ざめしてしまうが、この場面はまるで偶然映ったかのように抑えた感じで撮られており、あくまで慎ましい演出に留まっている。この風車の場面はラストシーンでも反復されており、このように映画の主題と呼ぶべきものをちゃんと視覚的に表現できていることは演出家の仕事として評価しても良いはずなのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ

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