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[コメント] 美しき運命の傷痕(2005/仏=伊=ベルギー=日)

この親にしてこの娘あり
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「クシシュトフ・キェシロフスキの遺稿」というのがウリの映画だったが、『ノーマンズ・ランド』で抜群のセンスを見せてくれた俊英ダニス・タノヴィッチ監督、そしてエマニュエル・ベアール様という理由で観た。

恥ずかしながら、えーっと、クシュシュシュ、キャシキュシ、あー、ナントカスキーという巨匠の誉れ高い彼の作品を観たことがないもんだから、その遺稿だと言われたところで、本当のところはどうなのよ?と思ってしまう。 ダニス・タノヴィッチが大胆に脚色しているという説もあるしね。

ダニス・タノヴィッチの演出は長編2作目とは思えないほど巧みだ。 だがこの話にはどうだろう? 何だか、全体的にシャープで骨太の印象がある。 本当はもっと繊細な話、あるいはベタッとした話だったんじゃないだろうか? いや、元はダンテの「神曲」がベースだそうだから繊細ってのは違うかもしれないけど。

フランスの女性映画は(正確には4ヶ国制作だが)この映画のような理路整然としたオチとは無縁で、むしろ「女って分からない」「大人の恋ってムツカシイ」けど「腑に落ちる」という方が「らしい」気がする。ま、トリュフォーの悪影響だが。

そんなこんなで思ってしまう。この親にしてこの娘あり。

原題は「地獄」だそうで、この『愛と青春の旅立ち』みたいな邦題はいかがなものか?

(評価:★3)

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