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[コメント] 初恋(2019/日)

三池らしい作品というか、「ファントミ」の反動でむしろ酷くなってる気がする。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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どうも。三池崇史が総監督をしているガールズヒロインシリーズを時折観ているペペロンチーノです。「魔法戦士マジマジョピュアーズ」とか「ひみつ戦士ファントミラージュ」とか。これが通称「ファントミ」ね。なんかこないだは「大人気アニメ監督・長崎ハヤト」ってのが出てたよ。今度やる劇場版には「世界を股にかけて活躍する映画監督・黒沢ピヨシ」ってのも出るらしいよ。 あと、三池監督はNHK Eテレで「ころがし屋のプン」っていうクレイアニメの総監督もやってたんだよ。それも観た。フンコロガシの話だった。

私は三池崇史を「春夏秋冬多種多様な映画を撮る強面」と評しているのですが、ことほど左様に、ここ数年は「子供向け」に注力しているのです。彼の私生活は全く知りませんが、「我が子に見せられる仕事をしたい」という親心でも働いたのでしょうか?そんな年頃の子供がいるかどうかも知りませんがね。

ま、その理由はともかく、今回の『初恋』は「子供向け」とは真逆のベクトル。 「誰に頼まれたわけでもないのに原点回帰」と自ら語った『極道大戦争』(2015年)の系譜なのです。ジャンルとしたら「バイオレンスコメディー」。最も三池が得意なジャンル。 これ、子供向け作ってた反動じゃないかと思うんだ。なかなか酷いよ(笑)。 もっとも、仕事を選り好みしないらしいけどね。

その一方で、『愛と誠』的70年代話でもあるのです。いや、スマホGPSとかバリバリ使ってんだけどさ。 「ヤクザ」「みなしご」「親の借金でシャブ漬けにされて体を売らされてる女」とか、何時代の話? どうやらプロデューサーの意向で「こーゆーのが東映らしさなんだよ!」ってことらしいのですが、どこターゲットなんだろう?そしてその「東映らしさ」とやらは、映画の未来に有益なんだろうか?

相変わらず三池崇史は巧くて、こういう群集劇とか集団のさばき方は抜群に巧い。キャラクターの立て方とか、マンガ的ではあるけれど、誰が観ても(役者を知らない外国人が観ても)混乱なく整理されている。 でも、巧いんだけど、観終わった後、見事に何も残らない。 「巧さ」と「志の低さ」が噛み合わない典型的三池崇史作品。

(20.02.29 TOHOシネマズ 新宿にて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)すやすや[*] 水那岐[*]

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