[コメント] 私のように美しい娘(1972/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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2022年の「トリュフォー生誕90周年上映」(のアンコール上映)で初鑑賞したんですが、主演女優ベルナデット・ラフォンが一緒だという理由で短編『あこがれ』と併映でした。19歳か20歳のあんなに可愛らしかったお嬢さんが14年経ったらすっかりアバズレですよ。そういう意図の併映だったのか?アバズレって何語だ?
ラース・フォン・トリアーの『ニンフォマニアック』かと思った。たしか、色情狂の女がヤリ三昧の半生を延々語る映画なんですよ。ほら、同じでしょ?同じコメディーだし。コメディーなのか?
いや、でもね、なんかこう、トリュフォーとかいうと高尚な解釈が付きまとうけど、本人はそんな難しいこと考えてなかったと思うんですよね。純粋にバカコメディーが撮りたかっただけじゃないかな?早死にした割に多作で、ジャンルも多様だったし。てゆーか、この映画のジャンルは何?最後、無理やり塔に登るのとか何それ?『めまい』なの?『めまい』なんでしょ、ヒッチコック好きなんだから。
そうは言いながら、『突然炎のごとく』が女性解放運動の先駆けとして外国映画を観ないアメリカ人(の知識層)にも喝采を持って受け入れられたという話を聞いて気づきました。トリュフォーには「女性の生きざま映画」というジャンルがある。『アデルの恋の物語』もそうですし、ドヌーヴ『終電車』とか『隣の女』とか。ファニー・アルダンとドパルデューがイチャイチャしてんだぜ、超面白い。そう考えると本作も「女性の生きざま映画」というジャンルの一つに思えてきます。実際、設定はラースっぽいけど、読後感は今村昌平的「したたかに生き抜く女」感がある。
ただ、トリュフォー研究には興味深い一作かもしれないけど、そもそも映画として面白いかぁ?いやあ、正直言うとね、トリュフォーの(もしかするとフランス人の)笑いのセンスが分からないんですわ。
(2022.08.12 角川シネマ有楽町にてトリュフォー生誕90周年アンコール上映で鑑賞)
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