[コメント] アンタッチャブル(1987/米)
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アル・カポネを追いつめた,いわゆるアンタッチャブルズを描いたこの作品。いろいろ見所はあると思うが,私には,ギャング相手に血みどろの死闘を繰り広げる男たちを描いた映画というより,軽快なテーマ曲に乗って颯爽と活躍する彼らを描いた青春映画のように感じられた。野心満々の若きエリオット・ネス(ケビン・コスナー:現実のネスは,もっと人望のない野心家だったらしい),そして脇を固めるチームのメンバーたちも,命を落とした者もいたが,実に溌剌と輝いて見えた。
ただ,描き方が軽快だった反面,途中からやけにあっけなく話が進みすぎた感が強く,いささか拍子抜けした。前半で証人と経理士出身のメンバー(チャールズ・マーティン・スミス)が消され,老警官(ショーン・コネリー)さえ殺された時は,恐ろしいギャングを相手にネスたちはいかに戦うのだろうかと大いにハラハラ(期待)させたが,その後はなぜかトントン拍子にラストまで一気呵成に話が進んでしまった。これは,明らかに出来すぎだと思う。
特に不自然だったのが,ネスの家族に対する扱い。彼は殺し屋に警告され,夜中に夫人と子供を別の場所にあわてて隠したはずなのに,一番肝心な裁判の時に,なんとネス夫人は堂々と法廷に来て傍聴し,夫を見守っているではないか。裁判の見通しさえ不透明で,相手のカポネがどう出るかわからない(現に殺し屋は法廷内に拳銃を持ち込んでいた)のに,さすがにこれはないでしょう?
とは言いながら,全体を通じて良くも悪くも”軽い”という印象を受けたこの作品だが,その軽快さゆえになかなか良かったと思う。
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