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[コメント] グッドモーニング・ベトナム(1987/米)

何かを描きたいようでいて,描き切れていない。目的が明確なようでいて,実は曖昧…。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品を観て何となくそう感じていたのだが,実は,多くの兵士たちも同じような思いで戦場に行ったのではないか?

この作品は,戦場を舞台にしながら戦闘そのものを殆ど描いてはいない。戦争に対する主人公クロンナウアー(ロビン・ウィリアムス)の考えもそれほど明確には描かれていない。

これが監督の意図したものかどうかはわからないが,「戦争とはその程度のものだ。建前として叫ばれているほどには意味のないものだ」と言いたかったのではないか?

兵士でないクロンナウアーにとっては,戦争とはそれほど意味のあるものではなく,単なる危険な「非日常の世界」に過ぎなかったのかもしれない。

ラスト近くで帰国することになった主人公が現地住民と平和に野球をするシーンも,こうした想いを象徴しているかのようだ。心惹かれた現地の女性とは所詮結ばれぬ運命だと悟ったとき,彼の意識は初めて非日常の世界から現実(=米国)に戻ったのではないだろうか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)mikaz pom curuze[*]

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