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[コメント] UDON(2006/日)

私には「あいさつ」なうどんがあります。
Lunch

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は、下関出身で、下関駅のうどんが、それはそれは大好きです。下関を離れた学生時代から、帰省すると、ほぼ必ず食べて帰る。いや、特別うまいとか、すごいとか、そういうんじゃない。ふつーの駅のうどんです。ちなみに山陽線だと下関〜長府ぐらいまでは、ほぼ同じ味のうどんが食べられます(門司でも食べられたかな?)。小月になると麺が変わってしまうような覚えがある。

なので、劇中のアノ話には大いに共感するものがある。が、全体としては、まとまりがなくって、残念だった。具がなくてもうまいのに、天ぷら大盛りにして、七味も入れてしまった感じ。

別にキャプテンUDONもいい。「二つで十分」や「SF研の連中」、各所にちりばめたパロディなんかもやるなとは言わない(どっちかというと好き)。でも、やっぱり本編がしっかりしてないと、とか思う。

この残念さの中心に、ユースケ・サンタマリア がいる。彼じゃなく、トータス松本が主役なら、まったく同じオチでも、まったく印象が違うんじゃないかと思う(ユースケ、嫌いじゃないんだけどね)。彼は役者としては決して悪くはないのだけど、普段TVに出てるのと同平面のキャラクターだと、失速しがち。せめて真下くらいの緊張を与えないと、薄っぺらくてつまらない。

親父さんが亡くなった後の後半、主題が見え隠れするあたりから、この映画は実は主役はうどんではないと、なんとなくわかるのだけど、それでもあえてうどんを選んだのは、四国人として「うどんって、うまいんだよ!」と強調したかったのかなぁ。関東の人は、あんまりうどん食べないみたいだし。

「タウン誌でうどん巡礼をした息子がうどんのよさを見つめ直し、うどん屋を継ぐ」なんて安易なオチにしなかったのは、安心したけど、やっぱり長いかなぁ。キャプテンUDONは、も〜ちょっと短くていいぞ。全体的に、まのびしてるんだよなぁ...なんでだろう... うどんは、やっぱり熱いうちに食べないと、のびちゃうよね。あんまり考えすぎてるうちにのびちゃったんだろうか...

評価: 3。長過ぎるが、なんとか飽きずに見られる。主題の部分は、今、ちょっと落ち込んでるのだけど、でも、変節やあきらめたりしないで、もちょっとがんばってみないとなぁ、とか思えたので+。だけど、おいしそうな うどんはたくさん出てきたけど、おいしそうに食べてるシーンは少なかった。これじゃぁ、中村主水のそばにまけちゃうぞ。

追記: 下関駅が火災にあった時、一番心配したのは、うどんやだった。絶対焼けてしまったと思ってた。ところが焼けたのはすぐ隣までで、残っていたのだった。帰省してその事実を知ったとき、思わず大喜びして写真なんて撮ってしまった。その直後、肉うどんを食べに入ったのは言うまでもない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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