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[コメント] オリエント急行殺人事件(1974/英)

そして、列車は止まり、再び動き出す
Lunch

原作は未読で(思えば、クリスティの本は読んだことがない)、どれほどの差があるのかはわからないが、私はこれで「推理」の幅を広げてもらったし、横溝正史とはちがう人間関係のドラマのあり方を学んだのであった(それはn十年前、まだ10代だった頃)。自分的には記念碑とでも言うべき作品なので、思い入れは多大。

当時、母が「バーグマンも年食っちゃわね」としきりに言っていたのが印象的だった。エリザベステーラーにしろ(太ってた)、オードリーにしろ、寄る年波にはかなわないもので、というか、その辺を昇華するのが、女優だろう、などと生意気に思っていたことも思い出す。バーグマン、偉いと思います。

原作からして名作中の名作だと思っているが、映画としても構成はうまいなぁ、と思う。油断してると、置いていかれる感じのリズム、妙に癇に障るポワロの言動、頭を常に働かせておかないとわかんなくなりそうな(私は特に外国人の名前が苦手だ)人間関係。そして殺人事件の中心になるもの...

実は実際のトリックは、さほど奇抜なものじゃないし、その他の要素も今となっては目新しいものはないのかもしれない。だけど、ドラマとしてのあり方 − "あの誘拐事件"が人生の結び目のようになってしまい、あたらしい人生を始めるには、その結び目をどうしてもほどかなければならなかった人々 − こういうオーソドックスで"ドラマチック"なドラマは、とても映画らしくて、みていて気持ちがよかった。

評価: 4 ほんとに久々に、DVDにて鑑賞。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ダリア[*]

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