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[コメント] ピンクの豹(1963/米)

愛しのクル−ゾ−警部、記念すべき初登場作。
jean

当時の雑誌広告によると、「華麗!夢を呼ぶ5大スター・総天然色テクニラマ」とあります。「総天然色」っていうところに時代を感じるなあ。

クレジットではデヴィッド・ニーヴンの名が先になっていますが、私にとって主役はつねにクル−ゾ−警部なのだ。実際、この警部の人気が一人立ちして、以後ピーター・セラーズの当たり役となり、「ピンク・パンサー」のヒットシリーズとなったのです。だからこの作品は、映画史に輝く名を残したクル−ゾ−警部の栄えある第一回登場作として、すべての映画ファンの記憶に刻まれるべき作品なのです。前置きが長くなってしまった。

しかしはっきり申し上げると、ストーリーの結末があまりよろしくない。なんと警部が濡れ衣を着せられてしまうのだ。これはあんまりの仕打ちじゃないか。いくら警部がコミカルな役どころだからって…監督は考えるのが面倒くさかったのか。5大スターを絡ませ、それぞれに見どころを作ってやって派手に膨らませすぎたストーリーのシワよせを、全部警部のところへ持って来ちゃった、という感じ。

とはいえ、不満ばかりというわけでもないのだ。それはクル−ゾ−警部の、最初で最後の愛妻家ぶりにお目にかかれるということ。キャプシーヌの美人妻にメロメロになっている様子は、とてもほほえましい。思わず惚れてしまうほどだ。そんなわけで、採点はちょっと甘め。それから、まだフレンチ訛りを十八番にする前のセラーズ(クルーゾー警部)の持ちネタ(地球儀、タバコなど)にも注目。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)甘崎庵[*] ガンダルフ[*]

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