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[コメント] デンジャラス・ビューティー(2000/米)

テレビ的には「観客の反応音声」があれば完璧。
しど

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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男勝りの女性捜査官が捜査の為に変身してミスコンに出場する。 それだけで、大いに期待させる設定である。基本設定と導入部分の人物描写も、申し分無い。 が、本作には何かが足りない。 不足分を考えるうち、米国TVのコメディドラマに挿入される「観客の反応音声」が無いことに気がつく。 「ここ笑う所です=ハハハ」「ここ涙する所です=オゥ・・」「ここ感動する所です=パチパチ」 ってな効果音があればドラマと一体感となる楽しみが生まれるが、 それが無いために「なんじゃ、この予定調和は・・・」とつい白けてしまう。 そうこれは、米国TVのコメディドラマな映画である。

女性捜査官が事件解決とともに成長する作品は、「羊たちの沈黙」以来多い。 しかし、従来の作品群はシリアスドラマであったのに、本作は「コメディ」にしたためか、 他に比べて随分と安易な作りで、「安さ爆発」である。 何しろ、「成長=美人に変身」「事件解決」「友情」「恋愛」のテンコ盛り。 まあ、そんな「安さ」が「笑いのポイント」だったりもするから、 随所に笑える場面が盛り込まれてはいるんだけど、 安い笑いと単調な展開とで、だんだん飽きても来る。

安さといえば、出演者はステレオタイプばかりで、事件の動機事態もチャチい。 しかも、売りは「主人公の変身」なのに、 中盤で「変身」は終わるから、あとは、微々たる精神的な成長がだらだらと続く。 サンドラ・ブロックは過去の作品でも、 がさつな女性が最後に魅力的になるって役をやっているが、 過去のどの作品よりも「変身がメイン」な割に、変身後の魅力が無い。 最後まで本人の癖である、「豚笑い」が抜けてないし・・・。 しかも、まさかのホスト風同僚が変身もないままサンドラと・・・。

ミスコンの裏舞台は面白いし、駄目押しサービスな終わり方も、 案外、複数人数でカウチに座り、ビールでも飲みながら見るには最高かもしれない。 だからこそ、さらに盛り上げる「観客の反応音声」を入れるべきだった。 そうすれば、全体的な物足りなさが補えたはず。水増し効果だけどさ。

一応これ、おすぎが推薦してたから期待もしてたんだけどなあ。最近、おすぎの評価とも合わなくなってきた・・・。

(評価:★2)

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