特にピンヘッドを出ずっぱりにさせず、使い切ってしまわなかった所がいい。短時間の登場ながら鮮烈な印象を残し消えていくピンヘッドは、この先にあるもっと深い世界を感じさせる存在で、続編のあるなしに関わらずこの作品に序章的な魅力を作った。「これからもっと凄いことが繰り広げられるんじゃないか！？」という期待、暗黒の世界に一歩だけ足を踏み入れてしまったような感覚。思えばハロウィンもエルム街もこんな感じだった。

舞台となる家も夫婦の微妙な関係と共に陰湿さ漂いまくり不安感を煽ったし、その屋根裏で繰り広げられる物語はそれだけで一つのお屋敷系ゴシック・ホラーとなり得るような完成度だった。そして何よりユニークすぎる特殊効果がこの作品を牽引したことは言うまでもない。