コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995/日)

映像と音楽に関しては素晴らしいと思うが。

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







他の人も言ってた気がするけど、テーマと物語があまり密接に絡まってない気がする。結果、内容が小さくまとまってしまった(厚みのない)印象を受ける。『アヴァロン』でも使ってた、風景をモンタージュでつないで流すシーンは必要なのだろうか?風景ショットをインサートするだけならわかるが、あんなに長いシーンとして使うなら、その時間でもっと何か描けたのではないかと(『アヴァロン』の場合はコスト削減だったようだが、こっちはわざわざ絵を作ってるから違うだろうし)。

この監督は、画面を作るのはうまいが、物語を語ることは得意ではないような気がする(これは脚本の問題もあるかもしれない。個人的に『人狼』を観る限り、押井守の脚本はよいと思うし、『アヴァロン』や『ピストル・オペラ』を観る限り、伊藤和典の脚本はどうかと思うから)。だから、画面づくりに対する制約の大きい実写の映画では実力を発揮できないのだろう。アニメでがんばってください。

映画の評価とは関係ないけど、ゴーストの存在を機械で確認できるというのがどうかと。この映画の中では、すでに心身問題は唯物論(あってる?)の勝利という形で解決しているの?でも、それってゴースト=魂の存在を否定することにつながる気がするんだけど、それに他者との融合=個体化の超克(草薙素子+人形使い)をどう説明するのか。このへんはどうなってるんだろう?と思ってしまう。結局、哲学と言うより科学の側なんだろうね。

まあ、電脳化は予測できても香港の空港の位置が変わることは予測できなかったというオチで。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)Orpheus コスモ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。