クルーニーの作品は見る物見る物全部イマイチ感情移入できなくて好きになれなかった。

しかしさすがはジェイソン・ライトマン。人間の感情を繊細に描写できるのは彼の特性だ。しかもちょっとダメな人達の感情がお得意なのもいい。

「500日のサマー」も共通していたが、現代的な恋愛を描くのに「女性優位」は不可欠だと気付いた。 ちょっと前までなら、女が男に翻弄され、女が弱者で男が強者の図式からドラマが生まれたけど、今は全部逆転だ。

女が浮気されていたのが、今では女が浮気をする方。 男が家庭持ちの設定だったのが、今では男が独身で女が家庭持ちの設定。 傷付けられて泣くのが常に女だったのが、今では男が儚く傷心する。

映画のテーマには常に時世を取り込まなくてはいけないと、制作者の人が言っていたけど、この作品で改めて実感した。

そして私は男と女関係なく、傷ついているダメ人間に共感してしまうのだけど。