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[コメント] 神様のくれた赤ん坊(1979/日)

私たちはとんでもない才能を見落としていたのではないか?山中貞夫の正当な後継者はココに居たというのに。
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







素晴らしい映画。全てが完璧。脚本、カメラ、演技、ロケーション、全てが全てがまるごと愛おしい。

酔った桃井の背中をさする子役の演技に泣く。 自分の母親の若い頃を知り、ショックを受け、「母親の気持ちに近づきたい」と春をひさげる女を演じる桃井。 それを渡瀬に告白する時の悲しさ。母親への愛おしい思い。 少女時代の回想。思わず涙腺が全開となる。

しかもそれらは人間への深い愛情となり、見る者へ、改めて(自分と周りへの)人生に対するまなざしを示唆してくれる。

笑いドコロも各所にちりばめられ、その笑いも「人間そのものへの深い共感と愛情が礎となっている」ので、気持ち良い。

素晴らしい人情喜劇。素晴らしいロードムービー。

恋の瞬発力、家族への愛、全てが詰まった日本映画の隠れた至宝。 誰にも知らせずに、手のひらの中に隠して、時々取り出してはその愛しさに泣いてみたくなる、そんな映画。

この映画のコースを辿る旅を是非ともやってみたい。 「小倉〜中津〜やまなみハイウェイ経由〜熊本市〜天草〜フェリーで雲仙〜長崎〜唐津〜筑肥線〜福岡市〜北九州市若松〜関門海峡」

前田陽一、今、再評価すべき監督だと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)irodori[*] 直人[*]

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