虚構の戦後史、または戦後史の再構築（または戦後昭和史の「総括」）といういささか辛気くさい内容には、このおふざけ向け（でも実は『イノセンス』並の）超絶技巧CGという手法は向かなかったのではないかと。これならいっそ本で読むか、（昔、筒井康隆が「眠る方法」でやったように）朗読を聴くという方がよかったような気がします。犬が出てくるんで、古川日出男の「ベルカ、吠えないのか」を思い起こしてしまい、なおさら本で読んでみようという気になってしまったのかも。

あとは、まあ、これは言っても詮無いことですが、業界人や楽屋落ちで周りの観客に笑われると、その手のことにあまり詳しくない私としては、引いてしまうのですよ。ホントにおもしろいなら笑うのもいいけど、「私はわかってますよ」というために笑うのはやめましょう・・・、いや、そういうところも狙っている映画だったら、そもそも観に行った私が悪いんですが。

とは言え、テリー・ギリアムを呆れかえりながら観るような楽しみはあるので、一応４点にしとこうかな。単純に映画としたら２点かも。