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[コメント] ある貴婦人の肖像(1996/英=米)

此れが「ピアノ・レッスン」「エンジエル・アット・マイ・テーブル」を本当に手掛けた人なのだろうか
花芙花

 2時間25分という長丁場で、二コールの表情が金太郎飴のごとく微動だにしないという、ある意味でホラー映画である。

 イギリスの上流社会に仲間入りしたアメリカ娘が画家に騙され結婚し、やがて悲しい運命を辿るというイマイチぱっとしないストーリーで、やっぱりぱっとしなかった作品。謎に満ちたラストでは「だから、何だ」と思わざるを得なく、この二時間半は一体何だったのだろうという虚無感ばかりが募る。主人公のミスキャスティングと何を描きたいのかがぼやけてしまったことが、この作品を失敗に導いたといえよう。

 監督カンピオンには「ピアノレッスン」という傑作を生み出したのだから、こんな訳の分からない凡作で満足しないでほしいと願う。「キツツキはいない」「彼女の時間割」の短編、美しい絵本を彷彿とさせる「エンジェル・アット・マイ・テーブル」、そして前回の「ピアノレッスン」とは、決定的に何かが変わってしまった残念作だ。

 それにしても、二コール・キッドマンとは全くつまらない女優である。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] Madoka[*] ina[*]

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