コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 失われた世界(1960/米)

凄いんだよ、トカゲが。
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作では監督兼プロデューサーを手掛けたアーウィン・アレンだが、恐竜として引っ張り出したのはワニとトカゲ。実は『キング・コング』を手掛けた元祖特撮マンのウィリス・オブライエンも企画の話を聞いて意気盛んだったものの、トカゲで撮ると分かって落胆したそうである。確かにこれがコマ撮り恐竜だったとしたら、まだ特撮ファンの間で語られそうな作品になっていた可能性もある。

 しかしアーウィン・アレンはこれをB級映画にはしなかった。というか、したくはなかったのだろう。地底のセットは広々としているし、L・B・アボットの特撮や合成も出来は良いのだ。どこでロケしたかは不明だが、アマゾンの実景ぐらいはライブフィルムじゃ無しに本当に撮って来ているのではなかろうか。だとすると本作を評価する上で一番の要素となるのは、やっぱりトカゲ。自分は好きだが、傍から観れば背びれや角を付けたワニとトカゲにしか見えないわけで、これを「恐竜」と観る為にはどこまでそれを許せるかにある。まさに水無きところに水を見る枯山水。大いにそのチープさを笑うもよし、本物の戦いっぷりに興奮するもよしというところか。

 とはいえ最後の方で、小ワニを「ティラノザウルスの子供だぞ」と説明したチャレンジャー教授は実に豪快なお方だなぁ、と……。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。