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[あらすじ] 紙屋悦子の青春(2006/日)

敗戦に向けて日本が転げ落ちていった昭和20年・鹿児島。紙屋悦子(原田知世)は、初めてのときめきを感じた明石少尉(松岡俊介)の安否を気遣っていた。それを見かねた兄・安忠(小林薫)は、強気に明石の戦友・永与少尉(永瀬正敏)との結婚を悦子に勧める。ぎこちない出会いのなかで、剛毅木訥さゆえの珍妙な言動を繰り返す永与に、いつしか心を開いてゆく悦子。しかし、ふとした会話の中から、明石は生きて戻れぬ特攻隊員に志願したことを彼女は知る…黒木和雄監督の遺作は、近年憑かれたように描き続けた「戦争の悲惨」のもう一面を描くものである。〔113分/カラー/ヴィスタサイズ〕
水那岐

2006年4月12日に没した黒木和雄監督の遺作。奇しくも「戦争」シリーズの棟尾を飾る作品となった。岸田國士戯曲賞に輝く松田正隆の戯曲を映画化した、昨年の「父と暮せば」に続く祈りの一編である。

(評価:★5)

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