[あらすじ] スキャナー・ダークリー(2006/米)
今から7年後、米国の下流階級の人々の間では「物質D」という麻薬が蔓延していた。「D」の供給源を探るため、麻薬捜査官ボブ・アークター(キアヌ・リーブス)はおとり捜査として自らジャンキーを装い、常習者と売人に接近しようとする。彼の監視するジャンキーはバリス(ロバート・ダウニーJr.) 、ラックマン(ウディ・ハレルソン)、フレック(ロリー・コクレイン)、そして売人のドナ(ウィノナ・ライダー)の 4人であった。覆面捜査は厳重を極め、捜査官は「スクランブルスーツ」という一種の光学迷彩服を装着し、仲間同士でも素顔を知ることはなく、ボブは組織内では「フレッド」と呼ばれていた。
「ボブ」としてジャンキー連中とウダウダし、「フレッド」として捜査行動するという二重生活を送るうちに、彼の精神は徐々に蝕まれていくのであった。(カラー/100分/ビスタビジョン・サイズ)
「ジャンキーから見た日常」を表現するため、リンクレイター監督はロトスコープによるアニメーション手法を選んだ。一言で言えば実写のアニメ化である。撮影された映像をを動画台の下から投影し、一コマづつアニメにトレースする。アニメ化作業には、50人のチームで18ヶ月を要したと言う。
原作はフィリップ・K・ディックが77年に発表した小説「暗闇のスキャナー」。70年代初頭、ディックは4度目に結婚した妻から離縁されたショックで、以前から常用していたドラッグにさらにのめり込むようになり、精神崩壊寸前のところまでいっていた。この小説はそのころの実体験を元にしており、登場するジャンキーも実在の人間がモデルになっている。
「これは、自分がおこなった行為の為にあまりにも厳しく罰せられた人びとについての小説です。彼らは楽しく時をすごそうと願っていたのですが、道路で遊んでいる子供に似ていました。つぎつぎに死んでゆく・・・轢き殺されたり、不具になったりして破滅してゆく・・・姿をお互いに目撃することは出来たのですが、それでも彼らは遊び続けていたのでした・・・・」(作者あとがき)
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