[あらすじ] 甦える大地(1971/日)
茨城県鹿島臨海工業地帯と農業団地の開発の物語。話は江戸末期まで遡る。この地区は利根川の大洪水に、常に悩まされていた。理想に燃える水戸郷士 中館(渡哲也)は、掘割りを造って、川の水を海へ流す計画を立てる。のべ十数万人を徴用して、全長1里以上の大工事は完成する。がその日、水門を開けて水は海へ流れ出した・・・と思った時、何と水は逆流し始めたのだ。そして洪水を引き起こしてしまった。「叶いもせん夢を見て、気狂いじゃ」とののしられ、中館は失意の内に死ぬ。掘割りは廃川となった。(まだまだ続きます)
そして現代、昭和34年。知事岩下(岡田英次)はこの廃川を再掘削して、その周辺を再開発、総延長17kmに及ぶ鹿島港を造り、企業誘致をして一大工業地帯とし、その後背地に農業団地を造成するという1200万坪の大開発を通じて「農工両全」の考えを実現しようとした。
国の予算取りの陳情に大蔵省に通う県開発課の植松(石原裕次郎)はふとしたことから建設省の野田(三國連太郎)という男の面識を得るようになる。「新港の話は聞いてるよ。夢物語だな」という野田に、「一度是非鹿島に来てください」と植松は食い下がった。
海岸に立つ二人。巾6〜7?に亘る砂と松だけの不毛の地。農民も漁民もみんな貧しい。
「港をエサに企業を誘致、その金で砂丘を開発しようとする図々しい考えか?」「その通りです。貧乏人の発想です。でもやがてビニールハウスが立ち並び、中は農業の楽園になる。素晴らしいじゃないですか。」
昭和37年、何とか国の認可が下り、いよいよ鹿島港建設の準備が始まる。地元説明会。権藤町長(志村喬)は賛成してくれたが、住民はほとんど反対。植松が知り合いになった女教師(司葉子 )も反対だった。
県は開発組合を新設。用地買収のために、その職員が全住民を駆けずり回る。が1人も捺印はしてくれなかった。そんな中、完成した試験堤に台風17号が直撃、堤は破壊されてしまう・・・、119分。 文部省特選。優秀映画観賞会推薦。
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