[あらすじ] ゴジラvsビオランテ(1989/日)
ゴジラが三原山に没してから5年後、復活の兆しと思える現象が続いた。時を同じくして、核を無力化する「抗核バクテリア」の開発を勧める日本政府は、秘密裏に採取したゴジラ細胞を遺伝子工学の権威・白神(高橋幸治)に託す。一度は断る彼だったが愛娘・英理加(沢口靖子)の遺伝子が入ったバラを、細胞の生命力を利用して再生させようとこれを受諾した。まもなくゴジラが復活するが、芦ノ湖には巨大植物怪獣ビオランテ――バラとゴジラの遺伝子から産まれた生物――が誕生していた!平成ゴジラVSシリーズのきっかけとなった作品。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけの解説です。
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原作者の小林晋一郎氏は現役の医学講師で大学の教壇にも立つ傍ら、大の特撮怪獣ファンとして知られ、高校時代、円谷プロに自ら原案を書いて送り、それが「帰ってきたウルトラマン」の第34話「許されざるいのち」として採用されたという経験を持っている方でもある。
小林氏は「帰ってきたウルトラマン」で、植物と動物両者の特性を持ち合わせた合性怪獣レオゴンを登場させたが、本作では科学的要素をさらに発展させた。そして最終的に誕生したのが、“植物の要素を持つゴジラ=ビオランテ”だったのである。本編では“ゴジラの生命力を持った植物”を誕生させるはずが“ビオランテ”になった、という設定で話が進む。そして対ゴジラ兵器として最終的に用いられるのが“抗核バクテリア”であり、それを産み出す為に必要なものとして“ゴジラ細胞”を登場させ、映画ではこれらを奪い合う人間同士の争いが描かれている。
最後に、これらの要素は全て白神博士の台詞にまとめられる。「本当の怪獣は、我々人間です」。核による争いによって産まれたゴジラ、そして遺伝子をめぐるそれによって産まれたビオランテ。その両者とも人類が産み出した怪獣である、という意味合いを科学的に説明付け、反映させたのが本作である。が、結果としてこれらの科学的要素が、後のシリーズでは余り活用されずに終わったことが惜しまれる。
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