[あらすじ] 河(1951/米＝仏＝インド)
物語の舞台はインド，ガンジスのほとり．遠い異国の地で暮らす賑やかな大家族．その中の国も肌の色も違う３姉妹．ある日，隣にやってきた若い大尉に惹かれていく彼女ら．甘くほろ苦いひとときの経験を経て大人へと成長する少女たち．何千年・何万年も前から人々の行いを眺め，蕩々と流れている「聖なる河」は，やはり彼女らのドラマをも悠久の時間の中へと溶かしてゆくのだ…．
ジャン・ルノワールの映画は美しい．その美しさに感銘を受けた米国ハリウッドの花屋さんたちが資金を集め「どうかこれで綺麗な映画を撮ってくださいな」と彼に申し出た結果，できた映画がこの『河』である．全編インドロケ，テクニカラーのこの映画は見栄えもさることながら，人物描写もこの上なく美しい．決して力みすぎず，さりげなく魅せる映像は大巨匠ならでは．「これぞ名作，花屋さんの望み叶ったり」である．第12回ヴェネツィア国際映画祭国際賞受賞作品．[99分]
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