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[あらすじ] 最後の誘惑(1988/米)

前半は一応新約聖書にそって展開するが、ネガテイブかつグロテスクなイメージを強調したつくり。今までのハリウッド聖書映画のパロディにも思える。ストーリーのフィクション性とは反対に映像は徹底してリアル。荒涼とした大地、民族の衣装、儀式、風習、飛び散る血しぶき。『ペットセメタリー』の原作の序文にも紹介されている「ラザロの復活」も再現している。                                              
ジョー・チップ

自分が救世主であることに自信が持てないイエス、「神の望みは私を突き落とすことだ」。イエスより堂々としているユダ。山上で「種まきの譬え」の説教をするが、しらける民衆(約30人)。「愛より食い物」と反論され、ユダには「左の頬を叩かれたら右も差し出せ?俺は出さんぞ!」と突っ込まれる。洗礼者ヨハネはどう見てもあやしげなカルト教団の教祖。民衆もユダもヨハネも現実主義、力の信奉者で、イエスの理想主義的な「愛」を理解できない。ナザレの婚礼の場で「私が奇跡、私が神だ!」とぶち上げ、総スカンを食らう。寺院の門前に並ぶ両替屋に激怒し暴れまわるが、肝心な説教の場面でユダに頼ってしまう。                                                  神の御意志が自分が死ぬこと・・・と分かったイエスは逡巡の末に悲壮な決意で死地におもむく。しかし真の試練は磔になった後にあった。                                                全米で抗議運動を巻き起こった理由は容易に推察できるが、非信者としては迷い、恐れ、泣き喚いたり、怒って暴れるイエスを見て、共感しこそすれ失望する人はあんまりいないと思う。いずれにしてもあんな試練に耐えられるイエスは常人ではない。

(評価:★4)

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