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[あらすじ] 宇宙からのメッセージ(1978/日)

アンドロメダ星雲の惑星ジルーシアは宇宙の侵略者ガバナス帝国の侵略を受け、彼等の要塞とされた。ジルーシアの先住民族は守り神である8つの「リアベの実」を宇宙へと放ち、選ばれた勇士をこの星へ連れ帰るために旅立つ。実は銀河系の星々の人々の手に渡ったが、ガバナスは次なる侵略目標として地球に目を付けた。地球側の必死の抵抗も空しく敗れ去った時、「リアベの勇士」がジルーシアへと向かっていった。リアベの奇跡が今、起ころうとしていた……。『スター・ウォーズ』の影響を受けて製作され、海外で好評を博した和製スペース・ファンタジー。
荒馬大介

 この映画企画のきっかけは、原作者・石森章太郎氏とプロデューサー・平山亨氏との対話から。これが次第に膨らんでいき、76年頃に「スペース・マンタ」なる宇宙SFモンスター映画の構想がまとまったが、77年『スター・ウォーズ』のヒットによって路線変更となった。なお原案に日本SFの大御所・野田昌宏元帥の名があるが、実際は脚本のチェックとノベライズ執筆に留まっている。

 製作費は10億、その他オーバー分と諸経費で総製作費は15億円となり、これは当時の日本映画では最高額。なお撮影に当たっては東映京都撮影所のスタジオがフル活用され、全長30メートルの実物大宇宙帆船に3000万円、宇宙暴走族の乗る小型宇宙船3機を2300万円かけて製作している。またノベライズの他、石森氏によるコミカライズ版、ストーリー解説や特撮技術を紹介した各種ビジュアル本を映画公開にあわせて出版。新聞紙上で賞金総額500万円の「超大作“Message from Space”の日本公開題を公募!」キャンペーンを行うなど、メディア戦略にも力が注がれた。

 話自体は“里見八犬伝”を宇宙に置き換えた感じになり、「宇宙でのちゃんちゃんばらばらを撮りたかった」という監督・深作欣二の意向もあって、今までの日本特撮映画には無かったテンポのある画面に仕上がっている。とはいえ全体の雰囲気や出演者のイメージから、良くも悪くも当時の東映カラーが色濃く出た作品となった。それ故日本ではさしたる成績と評価を残せなかったが、アメリカとカナダでは大手配給会社ユナイト系列で公開され大ヒットを記録、しかも78年度アカデミー賞特殊効果賞の最終選考にまで残るという偉業を成し遂げている。

(評価:★5)

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