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[コメント] 戦国野郎(1963/日)

若大将とルパンな仲間達。軽妙洒脱なアクションコメディー時代劇。もしくは時代劇版西部劇(なんだそれ)。いまリメイクするならこれだ!
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







長らく観ていなかった喜八作品の一つ。 近所の映画館でかかったので足を運んだのだが、フィルム状態が悪くてアヴァンタイトルなんかほとんど何も無い状態。あんまりヒドイので、家に帰ってからケーブルテレビ放映を録画してあったもので再鑑賞したよ(<最初からそれを観ろよ)。

加山雄三星由里子と言えば『若大将』シリーズの印象しかなかったが、加山雄三はともかく、星由里子がすごくいい。 そして、喜八作品と言えば天本英世。一言しか台詞のないニヒルな天本英世は、まるでルパン三世の石川五ェ門。 そう考えると、飄々としたヒゲの中谷一郎は次元大介、敵になったり味方になったり水野久美は峰不二子、そして口八丁手八丁の木下藤吉郎・佐藤允はルパンそのもの。 当然ルパン三世はこれより後の作品だが、アクションコメディーというジャンルといい、その読後感といい、とてもよく似ているように思える。そもそも喜八作品とルパンはよく似ている。(なのにルパンの監修は鈴木清順で、岡本喜八はガッチャマンの監修なんだよな)

話も滅法面白くて、三つ巴、四つ巴の展開も、恋の行方も、鉄砲の行方も、全てが絡まって一つ方向へ向かっていく。 これ、下手したら、巧く絡まずバラバラのまま、よっこらしょヨッコラショって一つずつ解決していくパターンだよ。 そしてこれが喜八節の真骨頂なのだが、実は哀しいんだ。消化(昇華)した「戦中派の哀しみ」が描かれるんだ。 60年代の岡本喜八は絶好調だ。

この盛り沢山の話こそ、今リメイクすればいいのに。『隠し砦』なんかリメイクしてないで。『THE LAST PRINCESS』とか言ってないで。 加山雄三の代わりならいくらでもいますよ。星由里子の代わりだって。 え?佐藤允の代わり?天本英世の代わり?うーむ・・・

(09.09.12 ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞)

(評価:★4)

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