まず思い出したのが『北斗の拳』のサウザーVSケンシロウの対決。「愛があるから苦しまねばならん、愛があるから悲しまねばならん」。まぁ、言ってる事は全く違うんだけど、「感情なんて必要ねぇ！」と言う事。

だけど、勝つのは感情のある人間。

そして、ハリウッドの良くわからん東洋人気がこんな形で表現されようととは・・・。香港映画も真っ青の、ガン＋武道の武術、「ガン＝カタ」。クリスチャン・ベールの冷血な顔が、少しずつ感情の為に闘う人間になる姿は最高すぎる！クリスチャン・ベールの演技も良い。クライマックス、「怒り」を内面に押さえ込んで、クールに殺しまくる主人公。カッコイイです。だけど、やはり俺的にはもっと感情を爆発させて欲しかった。ガン＝カタをしながら「うおぉぉぉぉぉ！」とか叫ぶとか。

それに、せっかくガン＝カタと言うアクションを持ち、しかもこれだけカッコよく（いや、マジ、めちゃくちゃカッコイイです）撮れるのに、監督がもったいぶっている感じがする。ストーリーを見せる為に魅力的なアクションシーンを削ってしまうのは如何な物だろうか？

しかし、それでもクライマックスは大興奮。正直、この映画の存在をはじめて知ったときは思わず馬鹿にしてしまったが、予告編を観て興奮した。そして、今、劇場で見終わって何を書けば良いのか分からないくらい興奮している。大体こんなカッコよくて馬鹿馬鹿しいアクション、誰が思いついたんだよ！凄い、凄い、凄くて凄くてとにかく凄い！

だから、アクションが思ったより少なかったのが残念。確かにこういう未来観は好き。登場人物たちも感情が無い割りに、感情がある人間的な台詞を連発しているが許そう、ご都合主義の数々も許そう、もう少し登場人物を活かすべきなのに、活かしきれて居ない点も目を瞑ろう。とにかく、もうとにかくアクションがカッコよすぎる。日本刀までも駆使し、とにかく撃つ、斬る、撃つ、斬る！凄すぎる。欠点なんて無視できるほど素晴らしさ。こんなすげえアクション久々だぜ！

未来設定の管理型社会。個性を失い、「生きる為に生きる」人々。こういうのは結構好きです。

これが本国でも、日本でもヒットしないなんて理解できない。確かに中途半端な面があるが、クライマックスはカタルシス云々ではなく、とにかくカッコよくて、思わず拳を握って叫びだしそうになっていた。あまりに面白すぎる映画は万人には受け入れてもらえないのか・・・。

とにかく、この監督は天才だと思う。こんなアクション考え付くなんて凄すぎる。ラストのファーザーとの一騎打ちなんてもうバカすぎて大興奮だった！もっと脇役を活かし、設定を活かし、そしてアクションを進化させてくれ！この映画のアクションは『マトリックス』よりも数倍カッコイイと思う。アクションには文句ないが、アクション以外には悪い所が多すぎる。

ちなみに主人公たちの使用していた銃は、何でしょうか？グリップはベレッタM９２ッぽい感じでした。けど銃口はデザートイーグル風でしたね。しかも、フルオート射撃もできるみたいですが、一体あのマガジンには何発入るのでしょうか・・・。あれだけ弾が長続き（もしかしたらマガジンチェンジが早すぎて捉えられなかっただけかもしれないが）するって事は相当口径の小さな銃なのか？でも、アップの時はでかかったぞ！

まぁそんな事気にせず、ひたすら続編に期待しよう！カッコよすぎるぞ、この映画！（けど、惜しい所は沢山あるけどね・・・）

ただ、今レビューかいてて思い出すんだけど、見終わった直後はクライマックスの凄さにひたすら熱い物が込み上げていた訳だけど、後から冷静に考えると粗が目立ちすぎる。

もっともっとアクションシーンを増やしてくれればよかったのだが・・・。限りなく★５に近い★４。将来、アクションの「革命」として名が残るべき作品だと思います。