[コメント] 黄昏(1981/米)
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ストーリー、演出、テンポ、撮影、音楽、すべてを含め文句なしの秀作。ストーリーは見慣れたジャンルなのでよっぽどこの手の話が苦手な人であれば退屈するだろうが、出尽くした親子の復縁をテーマにした映画では実に良い出来。特に実際に仲が悪かったヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダが険悪の仲の親子を演じたことで普通の映画以上にリアルさが伝わる。また湖のほとりの別荘や湖に浮かぶアビが実に素晴らしく撮影されておりその場所の良さが伝わる。音楽の使い方も見事にマッチしているし音楽自体も良い出来で湖の景色と音楽がすごく印象に残る。ストーリーもそれに負けず良くノーマンがビリーと一緒に釣りをする時の楽しさや茶目っ気が実に印象深い、見慣れた作りなのに飽きずに見られ退屈しない。演出も実に上手く心が打ち解けたと思ってたノーマンが自分のせいでボヤを起こした時に自分を攻め落ち込むところや船の事故で危機に瀕した時のシーンはすごくインパクトがある。テンポもスムーズでじれったさがない。ラストもノーマンが心臓発作を起こした時のシーンはつい彼の最期を想像させる感じで本気で「死なないで!」と思ってしまう位すごく感動させられる。オチに関しても単純にしなかったことで現実感があり美しい景色としめの音楽ので実に爽やかさのある終わり方をした。まともに最後まで良い出来だと思った映画も珍しいとさえ思うぐらい最高の出来。役者もヘンリーは珍しく偏屈な老人を演じていて頑固さがなくすごく茶目っ気と輝きのある役で実に素晴らしい演技。正直彼の役者としての集大成が詰まった作品という印象を受けた。キャサリン・ヘプバーンの演じたエセルも素晴らしかった。ビリー役の子役は意外と演技が上手くノーマンと溶け込んでいくビリーの姿を上手く演じている。今回はジェーンを助演として扱った事で映画のバランスも取れ、実に素晴らしい出来となった。結局ノーマンとチェルシーが復縁するのは御都合主義ではないのか思う人もいるかと思うが家族をテーマにした作品ということを考えるとまったく気にならないと思う。80年代の家族ドラマ映画で選んだら文句なしに良い出来の作品。家族ドラマ物が好きな人ならぜひ見て欲しい作品。
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