★４・５（ヘンリー・フォンダ爺には★５）

作り手のやる気がビシビシ伝わってくる。凄いのがヘンリー・フォンダやキャサリン・ヘップバーンを実際に水中に飛び込ませ､泳がせている所。こんなによぼよぼの老人にアクションをさせるなんて！よく最近の映画宣伝で「スタント無しで云々」だとか「こんなに訓練したから云々」みたいなものがあるけど、どんなアクション映画よりも､本作のアクションのほうが素晴らしいと思う。それだけ本気だったということなのだろうか。凄い。

なんといってもヘンリー・フォンダが最高。最高の最高。見ているだけで､画面に出てきているだけで語りきれないほど多く‐それは言うなれば《人生》だ‐を醸し出している。彼のちょっとした仕草､表情がどれだけの文量を補っていることか。セリフでも､映像でもない。ヘンリー・フォンダ自身が１つの脚本なのである。《人生》がきちっと描かれた映画だと思う。自分はノーマンに肩を入れっぱなしであったが､他の登場人物も厚みがある。子役ですら、彼の人生というものが伝わってくる。

魚を釣ること。誕生日を祝うこと。湖に潜ること。ボートを運転すること。悩むこと。みんな、どれもとても大切なことだ。生きている限り､いくつになっても。生きる。

黄金に輝く湖やアビ。その美しさもまた絶品。