[コメント] 奴らを高く吊るせ!(1968/米)
砂が真っ白の荒野であるとか首吊り台の装置ぶりであるとか夜の室内シーンの照明であるとか、重めの題材を扱いながらもハッタリのきいた演出によって娯楽性が拡大されている。ズームアップ/ズームダウンの連発にはもう憤る気も失せるほど脱力するが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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物語の割には意外なほどカラッとした映画だ。この「カラッと」の正体は多分にアメリカ的というかイーストウッド的なものではないかと思う(この物語を日本でやったらもっとジメジメしたものになるのではないでしょうか)。イーストウッドの復讐はあくまで「(無実の罪で)殺されかけたこと」に対するもので、「死の恐怖を味わわされたこと」に対するものではない。だからイーストウッドは悪党たちをむやみに痛めつけたり怯えさせたりするようなことはせず、粛々と逮捕するか殺すかをするばかりなのだ。復讐にかけるイーストウッドの執念を描きながらも、その内実はどこかカラッとしており、粘着質なところがない。この「カラッと」は気持ちよいと云えば気持ちよいが、物足りないと云えば物足りない。まあ元々無敵のイーストウッドに粘着的な復讐をさせてしまったら、映画はとんでもなく陰惨なものになってしまうでしょうけど。
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