ラストは親子の絆を持ってきて、いわゆる「お涙頂戴」映画になっているのだが、ふと気になった。

７歳の少女に「私がママよ」と告げるならば、当然次に返ってくる台詞はこれしかない。

「パパは誰？」

娘にこう聞かれたら、モナは何と答えるつもりだろうか。というか、モナ自身、父親が誰なのか覚えているのだろうか。

ミスコンに出場するのに不利な妊娠でも、彼女は産んだ。何故？「どうしてもこの子を産みたかった」という描写が無いので、実の子を邪魔者扱いしているようにしか見えない。正直なところ、ラストも「今更何やってんの」と思ってしまう。

ところで、ライバルを蹴落とすために彼女はいろいろな工作をしているが、手に接着剤はいただけない。若い頃に傷跡が残るような嫌がらせされたら、ジョーイだって仕返しするのが当たり前だ。ここまでやってモナはのし上がって行ったというストーリーをやるならば、とことんコメディに徹して、ブラックな工作も笑い飛ばせる作品にすれば楽しめたかもしれない。