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[コメント] 続・激突! カージャック(1974/米)

若きスピルバーグが「天才」と呼ばれた所以を感じることができるロード・ムーヴィーの傑作。
ナム太郎

この作品がロード・ムーヴィーの傑作となり得たのは、要所に配された適材の功によるものだろう。ゴールディ・ホーンの憎めないキャラは冷静に考えると感情移入しづらい母親をいつの間にか観客側に引き寄せるし、それを受ける渋いベン・ジョンソンは見事に画面を引き締めた。

あとビルモス・ジグモンドの撮影にもこの時期の彼独特の素晴らしさがあるし、またジョン・ウィリアムズの音楽もその後の作品のイメージからくる仰々しさがなく、むしろ素朴な味わいがあってとても良かった。そのように考えると、それを(おそらくは)意図的に配させたところにスピルバーグという若者が「天才」と呼ばれた所以がわかるような気がした。

確かにいかにも中途半端なカーアクション等には無駄なものを感じてしまい、映画としてのその部分にはマイナスポイントを付けざるを得ないのだが、しかしそれが製作者側からの圧力であれ彼の思いでしたことであれ、この映画が「そんなものなどどこ吹く風」といった面構えをしているところに私は何とも言えぬ魅力を感じた。

(評価:★4)

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