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[コメント] インファナル・アフェア(2002/香港)

全編通して持続するこの緊張感が心地よい 2003年10月2日試写会鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







伏線や心理描写、そして展開。脚本が良いんだろう。そして、この世界は香港映画だからある物だと思うけどなぁ・・・。ハリウッドがリメイク権で壮絶に奪い合って史上最高額に達したとか・・・。すげー不安。

確かに面白くはある。善と悪が居て、悪が悪を背負って善を生きる地獄。それがこの世界だと思う。トニー・レオン扮するヤンの、10年間善に尽くしても結局悪に殺される10年間や、アンディ・ラウ扮するラウの悪から転じて善にろうと、悪を犯して善になる地獄。この苦悩とかは確かに壮絶凄絶って感じた。

個人的に、何も調べずに見に行ったので主演の二人すらオープニングで気付く有様。こんな奴はこの映画に「汗臭い単細胞の野郎どもがホモ臭く乱撃銃撃バトルをジョン・ウー風に繰り広げる映画」とばかり勘違いしていただけあって、その落差たるものは相当ものであった。何しろ劇中にはほとんど銃撃シーンはないのだから。

まぁ、それでもある程度頭の切り替えはできたのだが。確かに評判通り良い作品で、上手いとは思う。だが、それ以上に心に響いてこないのが残念。俺の心がひねくれてるだけかもしれないけど、描く「上手さ」があっても心に響かせる「ドラマ」が足りない気がする。

回想シーン等を上手く盛り込んで、二人の心理を巧みに表現しているのだが、どうしても、それは「上手い」だけであって、ウー映画の様に血の温度が一度上昇する様なドラマではないし、やりようもない切なさも熱さも感じられない。

中途半端に挿入されるラブストーリーらしきモノにもあまり必要性は感じられない。結局、「運命の皮肉」という感じだろうか。

全編に渡って終始持続され続ける緊張感は、本当に本当にほんとーに素晴らしかった。

しかし、今回試写会の後インタビューされたのだが、これが三度目。一度目は『13デイズ』で半分寝ていたのにインタビューされて困った。二度目は『OUT』。たいして面白いとも思えない作品でインタビュー。そして今回も同様に。

どうして面白い作品に限ってインタビューされないのか・・・。運がいいのか悪いのか分らん。

(評価:★3)

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