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[コメント] レインマン(1988/米)

ダスティン・ホフマンの演技力が光るが、ホテルでダンスを踊るシーンや、カジノの大型ルーレットのシーンなど、トム・クルーズもがんばっている。良質で、しんみりさせジーンとくるものはあったが、心動かす感動というほどではなかった。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇中、カジノで抜群の記憶力を誇るレイモンドが、「ブラック・ジャック」で大勝していた。

モノの本によると、実は「ブラックジャック」には合法的な必勝法、というのがあるそうだ。通常、「ブラックジャック」は、6組のカード(13×4×6=312枚)を使う。で、「ブラックジャック」では絵札とAがとりわけ重要な意味をもつが、絵札(10、J、Q、K)の枚数は、96枚で、これにAが24枚。

ところで本式のカジノでは、この312枚のカードがシャッフルされたものを1セットとして、ゲームごとに配り、1ゲームが終ればそのカードは廃棄される。つまりカードはどんどん減っていく。

だから、それまでのゲームで出てきたカードの種類をチェックし記憶しておけば、次のゲームの時に、残りのカードが何枚でその中に絵札が何枚、Aが何枚というのがわかる。ゲームがある程度進行すれば、時には、かなりの頻度で次に引くカードが絵札であると、期待できる局面がくるのである。

このように絵札が多く残っていることが確実になると、「ブラックジャック」では「子」が勝てる要素が高くなってくる。

実際、昔ラスベガスで、この方法で荒稼ぎをしたギャンブラーのグループがあったそうである。現実には一人の人間がゲームに参加しながらすべてのカードの種類を記憶し続けるのは困難だが、このグループは、「ブラック・ジャック」をやっている各テーブルに一人づつ「カウンター」として参加して、適当に賭けながらひたすらカードの種類をチェックしつづける。そして残枚数のうち絵札が半分を占めるような状態になると、合図をして「勝ち役」のメンバーをそのテーブルに呼んで、勝ちをさらうのである。

この方法は、いわゆる「イカサマ」とはいいにくい。道具を使うわけでもないし、不正ともいいにくい。しかし、カジノ側はこんなことをされてはたまったものではない。ではどうするか。「ブラックジャック」をやっていて、この「カウンター」をしていると見なした人間を排除し、二度と客としては扱わないと通告するのである。

だから映画のように、驚異的な記憶力があるレイモンドが、残りのカードの種類まで当てられるなら、大勝することは可能だし、その場合、カジノ側は、「カウンター」だと判断した時点で、それまでの勝ち分には目をつぶった上で、その客にはていねいにお引き取りを願い、二度とくるな、とするのである。

こういう話は、映画の本筋ではないからさらっと流されていたが、カジノのない日本では少しわかりにくい話ではある。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)田中 トシ ジャイアント白田[*]

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